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心臓・血管外科 Cardiovascular surgery
心臓・血管外科は、獨協医科大学病院ハートセンターの外科部門として、年間約300例の心臓・大血管手術、約200例の腹部・末梢血管手術を行っております。スタッフは12名で臓外科あるいは血管外科の専門性を持ったスタッフで構成されてはいますが、心臓外科疾患も血管外科疾患もワンチームで診療していく姿勢で取り組んでおり、心臓・大血管・末梢血管の各分野の経験をまんべんなく積むことが可能です。
専攻医の先生には、上級医の指導のもと入院患者の主治医として、手術および術前・術後管理に参画し、経験を積んでいただきます。
外科専門医取得はもちろんその後の心臓血管外科専門医取得を見据えた研修が可能です。
外科専門医、心臓血管外科専門医を目指す皆さんのエントリーをお待ちしております。教授 福田 宏嗣
Hirotsugu Fukuda
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上部消化管外科 Surgical Oncology
獨協医科大学上部消化管外科は、上部消化管の悪性・良性疾患に対する外科治療を中心に、食道癌、胃癌、GISTに対する薬物療法、上部消化管内視鏡検査などを担当しています。また、一般外科も担当しており、対象疾患は食道癌・胃癌のほか、食道裂孔ヘルニア、食道アカラシア、胃GIST、病的肥満症に対する胃スリーブ状切除術、腹壁瘢痕ヘルニア、鼠径ヘルニア、内視鏡下胃瘻造設、血管内ポート造設など多岐に渡ります。
外科専攻医は、診療チームの一員として、上部消化管外科手術の術前検査、サマリー作成、手術、術後管理に参加し、周術期管理にも習熟して頂きます。また、鼠径ヘルニア修復術、内視鏡下胃瘻造設、血管内ポート造設術などの術者もできる限り経験していただきます。外部連携病院と連携しながら、多くの経験を積んでいただきたいと考えています。診療以外には研修会、研究会、学会なども積極的に参加・発表の機会を設けています。教授 小嶋 一幸
Kazuyuki Kojima
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下部消化管外科 Colorectal Surgery
下部消化管外科は、大腸癌(結腸癌、直腸癌)、炎症性腸疾患(クローン病、潰瘍性大腸炎)、腸閉塞、急性虫垂炎、大腸憩室症、肛門疾患(痔核、痔瘻)など下部消化管の悪性・良性疾患と、腹壁瘢痕ヘルニア、鼠径ヘルニア、血管内ポート造設など一般外科疾患の診療を担当しています。年間400例を超える手術を行っており、緊急手術も多く実施しています。手術だけでなく大腸癌に対する薬物療法や大腸内視鏡検査、ポリープ摘出なども行っています。入院患者さんの診療は主治医制ではなくワンチーム制で担当しています。
専攻医の先生には、スタッフの指導のもと術前検査、手術(術者、助手)、術後管理、サマリー作成などを担当して、消化器外科医としての経験を積んでもらいます。また、一般病院では経験できないような腹腔鏡下手術やロボット支援下手術など最新の外科治療を学び、経験したことを学会、研究会などで発表することにより、将来の外科専門医、消化器外科専門医取得に向けた基礎を築いてもらいたいと考えています。診療部長 水島 恒和
Tsunekazu Mizushima
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肝・胆・膵外科 Hepato-Biliary-Pancreatic Surgery
獨協医科大学肝・胆・膵外科は、肝胆膵外科領域の悪性・良性疾患に対する外科治療を中心に、薬物治療、内視鏡検査なども担当しています。また、診療部門としては一般外科も担当していますので、対象疾患は肝癌・胆道癌・膵癌のほか、胆石症、神経内分泌腫瘍、鼠径ヘルニア、下肢静脈瘤、血管内ポート造設など多岐に渡ります。
外科専攻医は、診療チームの一員として、肝胆膵外科手術の術前検査、サマリー作成、手術参加、術後管理に参加し、特に周術期の患者管理に習熟していただきます。また、腹腔鏡下胆摘、鼠径ヘルニア修復術、ポート造設術、肝部分切除などの術者もできる限り経験していただきます。外部の連携病院に勤務する際に、即戦力として働けるよう、多くの経験を積んでいただきたいと考えていますし、診療以外にも学会発表などの機会を設けたいと考えています。教授 青木 琢
Taku Aoki
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呼吸器外科 Thoracic Surgery
当教室は胸部外科教室として1973年(昭和48年)大学開校と同時に創設され、翌1974年(昭和49年)付属病院開院の年から初代堀江昌平教授が赴任されました(1974-1991)。その後二代目嶋田晃一郎教授(1991-2001)、三代目三好新一郎教授(2001-2009 )、四代目教授千田雅之(2010-)に引き継がれ現在に至っております。初代堀江教授が千葉大学時代に行った硬性気管支鏡診断法の開発は世界的業績として知られ、教室でも国内に先駆けて全身麻酔下気管支鏡診断など多くの研究がなされていました。同門であった嶋田教授はこれまでの肺癌診断に加え、ご自身の研究課題として取り組まれていた肺移植を実現すべく手術室、ICUの整備などにも尽力されました。また当時呼吸器外科のみであった胸部外科教室に心臓血管外科チームを結成されました。三代目の三好教授は大阪大学時代に日本で1例目の脳死肺移植を実現されたのち本学に赴任されました。赴任後は関東地方における脳死肺移植実施施設の必要性を強く訴えられ施設認定実現に尽力され、2009年(平成21年)1月関東初の脳死肺移植を実現するに至りました。また、一つの胸部外科として行動していた呼吸器外科と心臓血管外科の効率化をはかるべく分科にも取り組まれました。その後、現教授千田となった2010年(平成22年)4月1日に呼吸器外科と心臓・血管外科(福田宏嗣教授)両科がそれぞれ開講し現在に至っております。現在でも両科は同門として週1回の教授回診を共同で行うなど臨床現場内外において仲良く協力しあって行動しています。
現教授千田は今まで三代の教授が築いてきたものをさらに発展させるべく東北大学時代の経験をもとに、肺移植、肺癌診療を中心に心血を注いでいます。特にライフワークである間質性肺炎合併肺癌の治療成績向上や局所進行肺癌に対する根治切除の追求などはパイオニアとして全国的にもひろく認知されております。また日本呼吸器外科学会3代目理事長として日本における呼吸器外科学の発展のために尽力され、コロナ禍における呼吸器診療の重要性や国際協力の重要性を訴え災害時における呼吸器外科病院間協力体制構築やEuropean Society for Thoracic Surgeonsとの連携を積極的に行ってまいりました。2024年5月30日から6月1日に第41回日本呼吸器外科学会学術集会を開催させていただくべく、医局員一同鋭意準備を進めております。また肺移植は千田が赴任後に前任三好教授と最初の1例を行い、令和5年9月末日現在までに脳死肺移植26例、生体肺移植3例を実施し全国的にも良好な成績を得ております。当教室の理念は以下のとおりです。当教室の理念
- 最高の医療の習得
- 最良の医療の提供
- 緊急に対する迅速な対応
- チームワークで安全な医療
- 地域医療への貢献
- 呼吸器外科の発展に貢献
教授 千田 雅之
Masayuki Chida
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小児外科 Pediatric surgery
獨協医科大学病院小児外科は獨協医科大学とちぎ子ども医療センター内の診療科の側面も持っており、専門のスタッフが診療にあたっております。現在の小児外科スタッフは上部消化管外科学講座(旧第一外科)のスタッフも兼ねています(令和5年現在)。小児外科では新生児外科疾患、小児消化管疾患、小児一般外科疾患、小児悪性腫瘍さらには外傷・救急疾患に対して24時間体制で対応しています。平成30年4月より新専門医制度となりすでに5年になりますが、基盤領域である外科専門医プログラムでは10例の小児外科症例の経験が義務付けられていますので、小児外科をサブスペシャリティーとする予定のない専攻医の先生方も外科専攻医の間に小児外科にローテーションしていただき十分な経験をしていただけるように心がけています。小児外科を志す先生方には、新小児外科専門医制度による研修開始宣言が外科専攻医の間に可能になる方向で調整が進んでいます。
当院小児外科は日本小児外科学会の認定施設であり、年間の手術総数は約250件であり、このうち新生児手術件数は15例程度あります。将来小児外科指導医を目指す先生にも小児外科指導医要件を満たすための経験を積んでいただくことも可能です。近年は積極的に内視鏡手術を導入しており、小児鼠径ヘルニアでは男女とも約8割に単孔式腹腔鏡手術を施行しております。虫垂炎や肥厚性幽門狭窄症、噴門形成手術などもほぼ全例内視鏡手術を採用しており、鎖肛、Hirschsprung病、胆道拡張症も鏡視下手術を採用しています。小児外科専門医を目指す小児外科研修医の先生方には小児外科学会主催の内視鏡手術手技セミナーにも積極的に参加してもらっています。
上部消化管外科、下部消化管外科、肝胆膵外科、呼吸器外科、心臓血管外科、乳腺外科とも協力して、より充実した外科研修の場を提供したいと考えております。診療部長 鈴木 完
Kan Suzuki
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乳腺センター Breast Center
獨協医科大学乳腺科は、乳腺領域の悪性・良性疾患に対する外科治療・薬物治療を中心に診療しています。乳腺科は、他の外科診療科と違い、乳腺内科という診療科が存在しないために、検査・診断から治療まで一貫して担当することになります。
外科専攻医は、診療チームの一員として、術前検査、術前治療、手術参加、術後管理、術後治療に参加していただきます。獨協医科大学では、現在臓器別移行への過渡期になっています。特に、旧第一外科、旧第二外科からの臓器別移行が進んでおります。乳腺外科も、旧第一外科、旧第二外科からの移行で新しく新設された診療科です。そのため、現在、乳腺外科に所属している医師は、消化器・一般外科としてのトレーニングを受けております。
乳腺外科というと、一般的には全身管理がそれほど難しくないなどのイメージを持たれておりますが、上記のような歴史がありますので、基礎疾患や合併症がある患者さんでも、必要があれば積極的に治療を行っております。他院で難しいと判断された患者も、積極的に受け入れており、大学病院だからこそという症例も経験できます。いざというときの全身管理も、他の外科と比べても遜色なく可能であります。
外科専門医取得までの期間に、外部の連携病院に勤務する際には、一般外科として勤務することも多くなります。そのため、戦力として働けるように、乳腺疾患だけではなく、広く外科医としての知識・技術を習得できるように指導いたします。
教授 中川 剛士
Tsuyoshi Nakagawa